■吃音症とは
吃音は決して珍しい症状ではありません。吃音は言語発達の始まる2~4歳頃に20人に1人発症し、3年以内に男児6割、女児8割が自然治癒しますが100人に1人は成人後も吃音が続きます。吃音のため大事な場面でうまく話せないことから人間関係に悩み、社会生活に支障をきたすことがあります。
ひとりで悩まず気軽に当外来を受診されることをお奨めいたします。
また、幼児の吃音に悩まれる両親による吃音児への対応の仕方の指導も大切なことと考えています。それに関してDCM理論という指導方法があり、幼児の吃音の治療方法のひとつと考えられています。
■吃音の原因
吃音症の原因についてまだ充分には解明されていません。数十年前までは、親の育て方のせいや、心の持ち方が原因等という根拠のない諸説がありました。しかし近年の脳の研究などでは、脳の微細な機能異常が主な原因である可能性が医学的に示唆されてきました。
■当院での吃音専門外来の診療について
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① 吃音に関する正しい情報を得ることで、吃音というハンディを背負って生きていた逞しい自己像を肯定的に受け入れるようになります。
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② 吃音症は、社会不安障害(あがり症)、うつ状態などを合併しやすくなります。それらのきちんとした診断も初診時に必要です。これは問診や心理テストで行います。
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③ 学校や職場で吃音を持つ人が暮らしやすい環境を作る様々なサポートを一人ひとりに寄り添って行います。
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現在、吃音症は「発達障害」のひとつとして医学的に定義されており、医学的診断書や精神障害者保険福祉手帳などの利用を奨める場合があります。それらを就職面接や職場などで提示することで、周囲の理解や合理的な配慮、支援が非常に得られやすくなります。この吃音症に対する合理的な配慮は義務として国がきちんと認めています。約10年前から吃音の障害者手帳を取得する人が京都市でも増えつつあります.
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④ 薬物療法(希望により)
体や心の過度の緊張をほぐすいくつかの薬が吃音症状に有効な場合があると報告されています。ります。ただし効果の程度には個人差があります。 -
⑤ リラックス法の習得 (希望により)
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⑥希望により言語訓練、筋弛緩法、腹式呼吸などの指導を行います。
■ 当外来は、完全予約制です。
診療日 ;毎月 第2・第4水曜日 (午前中)
一人で悩まないで、気軽にご相談ください。
吃音に関する相談や治療を、親身にゆっくり
対応・指導いたします。